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「アトピー性皮膚炎と低出力レーザ療法」
いからし小児科アレルギークリニック 院長 五十嵐隆夫
写真:「アトピー性皮膚炎の低出力レーザ治療」

レーザ医療の発展は目覚しく、レーザメス、眼科のレーザ凝固装置、皮膚科のあざ取り、がんの治療法としてのPDT,疼痛、消炎処置等幅広く利用されておりますが、数mWから数十mWのごく弱い低出力レーザ光を、アトピー性皮膚炎の患部に照射すると、痒みの抑制効果があり、治療を継続していると、アトピー性皮膚炎自体もも軽快してきます。一度レーザ光を照射すると、痒みの抑制効果は3−7日継続するので、患者さんが手で掻かなくなり、夜良く眠れるようになったとか、ステロイドの使用量を減らす事が出来るので、親御さんから大変喜ばれています。
当院では、アトピー性皮膚炎のレーザ治療を始めて5年程になりますが、その間、200名以上の患者さんを治療しましたが副作用は全く無く、現在も1日20−30人の患者さんが治療を受け大変喜ばれておりますので、アトピー性皮膚炎に悩まれている方にお勧めしたい治療法です。
レーザ治療器は、富士電機製のFLAT10(波長:780nm, 出力10mW)を使用していますが、痒みの強い所から、湿疹病巣1ケ所の周囲の対角線上に4点、10秒間づつ合計40秒照射し、総照射量は一日10分間以内とし、1週間に1−2回治療しています。当院で1歳から18歳のアトピー性皮膚炎の患者14名(いずれも中等症、重症例)を、低出力レーザを20回以上照射し、2ケ月から14ケ月観察した結果では、
(1)皮膚炎が軽快した症例は14例中10例(71%)であった。
(2)軽快までの照射回数は、6回から87回であった。軽快した10例中、10回から20回で軽快した症例が7例であった。
(3)軽快までの日数は、14日から210日であった。軽快した10例中、3ケ月で軽快した症例は6例であった。
以上の結果から、低出力レーザ治療はアトピー性皮膚炎に有効と判断し、患者さんにもお勧めしておりますが、健康保険は、疼痛緩解、消炎処置には適用になりますが、アトピー性皮膚炎には適用にならないのが現状です。今後アトピー性皮膚炎の治療法の一つとして保険診療が出来ることを期待しています。



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